がんゲノム医療について

獨協医科大学病院は、平成30(2018)年4月に「がんゲノム医療連携病院」の指定を受け、がんゲノム医療中核病院である東京大学医学部附属病院と連携してがんゲノム医療を実施しています。

がんゲノム医療は令和元年(2019年)に保険適用となりました。

がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは

近年、がんの治療薬が次々に開発されていますが、このような薬剤の多くは、がんにどのような遺伝子の変化があるかによって選択されます。がんゲノム医療は、それぞれの患者さんのがんで起こっている遺伝子の異常を広く検査(がん遺伝子パネル検査)し、その情報を化学療法の薬剤選択に役立てようという医療です。

がんゲノム医療に関する詳しい情報は、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)の、運用されている患者さん・一般の方向けのホームページ「がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査」をご覧ください。

がん遺伝子パネル検査について

がん遺伝子パネル検査について

現在、保険診療として実施可能な「がん遺伝子パネル検査」は「OncoGuideTM NCC オンコパネルシステム」と「FoundationOne® CDx がんゲノムプロファイル」「FoundationOne® CDx Liquid がんゲノムプロファイル」です。

保険適応の対象となる患者さん

がん遺伝子パネル検査が保険適応となる対象は、1.および2.に該当する方です。

  • 標準治療がない固形がん(原発不明がんや希少がんなど)の方
    標準治療が終了となった固形がん(終了が見込まれる者を含む)の方
  • がん遺伝子パネル検査の結果後に、全身状態や血液検査の点から、見つかった遺伝子異常に基づく化学療法を受けられる可能性が高い方

ご自分が対象になるかどうかは、現在通院中の診療科主治医にご相談ください。

当院以外で治療中の患者さんにつきましては、まず主治医の先生にがん遺伝子パネルについてご相談いただき、主治医から当院総合がん診療センターがんゲノム診療部門(TEL 0282-87-2053)にご連絡ください。

標準治療
科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であり、患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。
原発不明がん
十分な検査でも原発巣(がんが最初に発生した臓器)がはっきりせず、転移病巣だけが大きくなったがんのことをいいます。
希少がん
患者数が少なく稀ながんのことをいいます。

がん遺伝子パネル検査の費用と種類について

保険診療として行われるがん遺伝子パネル検査の費用は以下の通りで、検査の種類では変わりません。それぞれ特徴がありますが、どちらの検査を受けられるかは主治医とご相談ください。保険が適応になるのはいずれか一回のみです。

検査名 OncoGuideTM
NCCオンコパネルシステム
FoundationOne®
CDx がんゲノムプロファイル
FoundationOne®Liquid
CDx がんゲノムプロファイル
検体の種類 組織 + 血液 組織 血液
検査対象遺伝子数 124 324 324
料金
(同額)

560,000円(保険診療額)の1〜3割負担になります。
検査申込時440,000円、検査完了時(結果説明時)120,000円
を支払います。
上記 、検査料の他に診察料や診断料、管理料等がかかります 。 高額療養費支給の対象となる可能性があります。

使用する組織検体の状態によっては検査が実施出来ない場合があります。その場合でも検査申込費用や検体の品質確認に要した検査費や施設利用料などの費用がかかります。

検査の結果を元に治療を行う場合には、主治医と相談の上、実施することになります

治療費は別途かかります。

がん遺伝子パネル検査の結果で何がわかるか

  • 治療選択に役立つ可能性がある遺伝子変異がわかる可能性があります。
  • 治療効果が期待できる国内で承認済みの治療薬の情報が得られる可能性があります。
  • 治療効果が期待できる国内で臨床試験(治験等)中の治療薬の情報が得られる可能性があります。
  • 治療効果が期待できる国内では承認されていないが、海外で承認されている薬剤、もしくは臨床試験の情報が得られる可能性があります。

検査後の治療について

  • がん遺伝子パネル検査の結果に基づく治療は、標準治療が終了した後の選択肢として考慮されます。現在標準治療を受けている患者さんは、その標準治療が優先されます。
  • 現在行われている治験に参加することが可能と考えられた場合、主治医と方針を相談することになります。
  • 効果が期待されるが保険適用となっていない薬剤が見つかった場合には、「先進医療」や「患者申出療養」というかたちで、本院または他院で、自由診療と保険診療を並行して治療を行う可能性が考えられます。この場合、治療費が高額となります。
  • がん遺伝子パネル検査を実施しても、治療薬の選定に有用な情報が何も得られない可能性はあります。

がん遺伝子パネル検査に関するお問い合わせ先

がん遺伝子パネル検査に関するお問い合わせ先

検査の実施可否等については、現在受診中の診療科主治医にご相談ください。

獨協医科大学病院
総合がん診療センターがんゲノム診療部門

TEL:0282-87-2053(直通)
平日9:00~17:00
FAX:0282-87-2053(24時間対応)
E-mail:cancer-genome@dokkyomed.ac.jp